話題の”Queen”の映画”Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)”の映画のタイトルともなった、”Queen”の代表曲”Bohemian Rhapsody”が収録されているアルバムです。
アルバム・タイトル通り、アルバムのテーマは、「オペラ」です。
ロック史上屈指の名曲”Bohemian Rhapsody”は、アルバムのラスト(”God Save The Queen”というオペラの閉幕を告げる曲もありますが)に鎮座し、この壮大なロック・オペラの価値をより高めています。
曲目リスト
- Death On Two Legs (Dedicated To…)
- Lazing On A Sunday Afternoon
- I’m In Love With My Car
- You’re My Best Friend
- ’39
- Sweet Lady
- Seaside Rendezvous
- The Prophet’s Song
- Love Of My Life
- Good Company
- Bohemian Rhapsody
- God Save The Queen
天から舞い降りてきた神がかり的な旋律
1曲目の”Death On Two Legs (Dedicated To…)”:
壮大なロック・オペラの開幕を告げる曲です。
初期のアルバムには、”No Synthesizer!”の文字が表示され、この曲もあくまでもギターで、ロック・オペラ・ワールドを表現しています。
そういえば、映画”Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)”の開演を告げるファンファーレも”Brian May”(ブライアン・メイ)のギターと、”Roger Taylor”(ロジャー・テイラー)のドラムによるものでした。
3曲目の”I’m In Love With My Car”:
“Roger Taylor”の作品ですが、映画の中では、他のメンバーから酷評されていました。
“Radio, GA GA”ほどの名曲をつくる才能の持ち主ですから、メンバーの批判など気にせずどうどうと胸をはってもいいと思います。
4曲目の”You’re My Best Friend”:
映画の中でも、先行シングルは、”Bohemian Rhapsody”ではなくて、この”You’re My Best Friend”にしろという、レコード会社側の意向がありました。
“Bohemian Rhapsody”は、曲の時間が、6分ほどあり、ラジオでかけてもらうのには長すぎるという理由からでした。
普通のロック・バンドだったら、十分、先行シングルに値する曲だと思いますが、偉大なる名曲”Bohemian Rhapsody”を、このアルバム”A Night at the Opera(オペラ座の夜)”の看板の曲としたいメンバーは断固として譲ろうとしませんでした。
5曲目の”39″:
“Queen”の曲の中にも、こんな牧歌的で、カントリー調のすがすがしいほど美しい曲があるとは驚きです。
映画の中でも使われていた”Queen”の前身のバンドである”Smile”の作品でもある”Do It Alrigt”にも通じるものがあると思います。
きっと、作曲者の”Brian May”の音楽的なバック・ボーンから生まれてくるものでしょう。
“Stevie Nicks”と”Lindsey Buckigham”を迎えたばかりの”Fleetwood Mac(フリートウッド・マック)”を思わせるメロディーの美しさと”Brian May”のすがすがしい歌声が好印象の曲です。
9曲目の”Love Of My Life”:
映画の中では、この曲に合わせて聴衆が大合唱していますが、本来は合唱曲ではありません。
アルバムのオリジナル・バージョンは、”Freddie Mercury”「フレディ・マーキュリー」独壇場のピアノとストリングスを従えての甘美なラブ・バラードです。
通常、CDを通して聴く場合は、うっとりと静かに聴き惚れるパートです。
そんな甘美のバラードを大合唱も歓迎というのだから、”Queen”は何と度量の広いバンドなのでしょうか。
自分たちの曲も、世に送り出したあとは、もはや、ファンみんなのものという気前のよさを感じます。
11曲目の”Bohemian Rhapsody”:
映画のシーンで一番泣いたシーンは「ライブ・エイド」のこの曲のパフォーマンスでした。
いまだに、この曲がかかると「パブロフの犬」よろしく半泣き状態になります。
単曲としてもみごとですが、この壮大なロック・オペラの後半でこの曲につながっていく構成でこの曲のよさがさらに輝きをまします。
もう、6分が長いかどうかなどの範疇は完全に超えています。
アルバム全体の45分だって、ちっとも長く感じません。
ロック・オペラ「オペラ座の夜」の画竜点睛です。
この”Bohemian Rhapsody”が最後に控えているから、最高のオペラだったねと聴衆は酔いしれるのです。
“Bohemian Rhapsody”曲の解釈は?
誰もが知っている”Queen”の代表曲である”Bohemian Rhapsody”の曲の解釈をめぐっては、諸説あります。
「ボヘミアン」というと、定住地をもたない民族とか、移住者というイメージがありますが、ゾロアスター教徒であった”Freddie Mercury”「フレディ・マーキュリー」自身も、どこか自分を迫害されているもの、異端児という思いを感じていたのかも知れません。
この”Bohemian Rhapsody”や、”Killer Queen”、”Somebody to Love”にしても、”Freddie Mercury”のつくる曲は、従来のロック・ミュージックにはない、ある意味異端の曲のように思えます。
ただ、あまりにも素晴らしいメロディーであるために、世に認められ多くのひとに愛されている音楽だと感じます。
“Bohemian Rhapsody”の歌詞にあるように、どんなに迫害しようとも、”Oh baby-cant do this to me baby”、世に素晴らしい楽曲を提供し、そして、その曲を歌い続けるという行為は誰にも止めることはできないでしょう。
それは、”Freddie Mercury”という人間を通して、神が世に送り出したものだからです。
それにしても、ライブ・エイドで、エイズに冒されながら声を振り絞りながら歌う”Freddie Mercury”ですが、”Good bye Everybody”や”I don’t wanna die” という歌詞のところでは、やり遂げたという達成感と同時に、まだ死にたくないという無念が交差していると思うと体の震えを抑えることができません。
今、しばらくは、この曲を涙なしに聴くことは難しいでしょう。
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