【洋楽】おすすめのアルバム~”10cc” : “10cc”

“10cc”の記念すべきデビュー・アルバムです。

アルバム・ジャケットも、メンバーの”Lol Creme”と”Kevin Godley”がアート・スクール出身ということで、バンド名をアート作品のようにかたどっています。

“The Beatles”の”Oh! Darling”のパロディの”Donna”で一躍有名になっただけに、コミカルなバンドという印象もあるかも知れませんが、その演奏技術、作曲能力は一級品です。

代表曲である”I’m Not in Love”にも通じるメロディー・センスがこのデビュー作の随所に感じられます。

<曲目リスト>

  1. Johnny Don’t Do It
  2. Sand In My Face
  3. Donna
  4. The Dean And I
  5. Headline Hustler
  6. Speed Kills
  7. Rubber Bullets
  8. The Hospital Song
  9. Ships Don’t Disappear (Do They?)
  10. Fresh Air From My Mama

世界で最もイカしたバンドの誕生

1曲目の”Johnny Don’t Do It”:”The Worst Band In The World”「世界で最もイカしたバンド」のデビューを祝うかのようなファンファーレで始まります。

ボーカルは、”Lol Creme”で、一躍有名になった”Donna”にも通じる歌声と曲調です。

“Johnny”は、”Angel”ですが、”Dress in Black”「黒い衣装をまとった怪しげな天使」です。

シニカルな歌詞の”10cc”特有のウィットがのっけから炸裂しています。

2曲目の”Sand In My Face”:”I Look in My Mirror”と投げかかる”Kevin Godley”に、”What did You See?”と応える”Lol Creme”。

2人の会話のキャチ・ボールが実に巧妙で楽しい曲です。

サビの部分は、今度は、”Kevin Godley”がファルセットを効かせて、美しく歌い上げています。

髭面のおじさんが、あのような美しい歌声を聴かせるのは想像もつきません。

曲中に、”Atlas”「アトラス」や、”Hercules”「ヘラクレス」が登場し、哲学的な歌詞を思わせます。

3曲目の”Donna”:”The Beatles”の”Oh! Darling”かと思いきや、”Graham Gouldman”のベース・ギターの前奏は、”Lol Creme”のファルセットで意表をつかれます。

もう一人のボーカルは、ドラマーの”Kevin Godley”で、”Godley&Creme”のコンビの掛け合いに、”Eric Stewart”と”Graham Gouldman”のバック・コーラスが絡むという豪華な布陣です。

電話のベルの後の、”Hallo Darling”と続く、電話の声の主も”Lol Creme”で、いろいろな声を使い分ける達人です。

4曲目の”The Dean And I”:このアルバムの最も私のお気に入りの曲です。

前奏はちょっと奇妙ですが(”Lol Creme”がパーカッションの音を口ずさんでいるのも笑えますが、他の3人は呪文のような歌詞を唱えています。)、歌が始まると一気にはじけます。

“Hey Kids, Let Me Tell You How I Met Your Mon”(「お父さんとお母さんの馴れ初めを聞かせてあげよう」とイカした歌詞ですね)と”Lol Creme”が歌い始めれば、幸せな物語の始まりです。

曲の雰囲気もハッピーですが、演奏しているメンバーも実に楽しそうですね。

それにしても、メンバー全員がリード・ボーカル(勿論作曲もですが)をはれる実力の持ち主なのに、初期”10cc”は、”Lol Creme”の一人舞台ですね。

合いの手に、”Kevin Godley”のファルセットがお決まりのように添えられていますが、”Eric Stewart”と”Graham Gouldman”は健気にも裏方に徹していますね。

相当な歌唱力の持ち主なのに・・・。

5曲目の”Headline Hustler”:ドラムの”Kevin Godley”、ベース・ギターの”Graham Gouldman”、前奏部分の演奏だけでも、相当の実力の持ち主であることがわかります。

満を持して、ようやく”Graham Gouldman”のボーカルです。

“Eric Stewart”のギター・ソロも冴えてます。

そして、”Eric Stewart”が、サビの部分を歌います。

“Eric Stewart”と”Graham Gouldman”コンビの面目躍如です。

“Headline Hustler”「見出し(特ダネ)の詐欺士?」現在のパパラッチのようなものでしょうか?

“Money Taker”とも手厳しい批判の目を向けています。

7曲目の”Rubber Bullets”:またまた”Lol Creme”の登場です。

この時期の主要な曲は、たいてい”Lol Creme”が担当していますね。

(”Lol Creme”が、当時は、リード・ギターに対し、コードを担当しているギターを、リズム・ギターとかサイド・ギターと呼んでいました。

“John Lennon”もサイド・ギターを担当していましたので、最も歌いながら演奏しやすい楽器ということで当然の成り行きなのかも知れません)

“Donna”と並んで、”10cc”をロック界の舞台に押し上げた曲です。

耳に馴染みやすいキャッチーな曲ですので、人気を博すのも頷けます。

ただ、ボーカルの掛け合いは、今度は、”Graham Gouldman”ですので、新しい組み合わせですね。

と思いきや、”Kevin Godley”のファルセットが花を添えるのはお約束ですね。

“Eric Stewart”も見事なギター・ソロを披露するのですが、ボーカルでの活躍は自重しているのか、”George Harrison”に徹しています。

10曲目の”Fresh Air From My Mama”:ラストを飾る限りなく美しい曲です。

美しいメロディーに美しい歌声、もうこの人しか考えられません。

“Kevin Godley”です。

とうとうドラムを叩くことも忘れ、ステージ中央で歌い始めました。

この曲を聴くと、単なるパロディーやコミカルな歌を演奏するバンドではないことを十分証明しています。

“Lol Creme”の独壇場、”Eric Stewart”の活躍に乞うご期待

このアルバムを、ざっと眺めてみると、誰もがリード・ボーカルを務めることができる実力の持ち主であるのに、この時期は、”Lol Creme”の独壇場という感じがします。

あの名曲”I’m Not in Love”でボーカルを担当している”Eric Stewart”も、当初は随分出番が少なかったと改めて思います。

今後は、もっと”Eric Stewart”の甘い歌声を存分に聴く機会がありますので乞うご期待!

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